今丁度映画をやってるんですけど、ハリポタ第6弾「謎のプリンス」の原作本を読み終わりました。
分厚い上・下巻を持ってして、物語がいっさい終わっていないのがすごい!
今までのフォーマットだと、冒頭が夏休み中のポッターで、以下、新学期>事件>間にクディッチ>クリスマス休暇>大事件>戦闘>解決>学期終了>夏休みへ
というイギリス寄宿舎学校のサイクルに則って進む感じで、一応一年の終わりで事件が収束するんですが、
この6巻「謎のプリンス」では、学校行事が大事件のせいで全部うやむやになって描かれなくなる。
そして、全部が全部「次回へつづく!」で終わっちゃう。
ま、そりゃしょうがないけどね。
ただ、1巻から丹念に描いてきた伏線が全部活きて来て、まさに物語が「急」展開するあたりは、ハラハラするし引き込まれた。
あと、過去5巻分のキャラクターがどっと再登場してくるのも、かなり賑やかしくていい。
ヴォルデモートの命の秘密。
大蛇の意味。
死食い人と不死鳥の騎士団。
ハリーの父母と、スネイプの関係。
憂いの篩。
ダンブルドアとヴォルデモートの関係。
などなど、伏線だけはたーんとあるからね、この話は。
しかしながら、この6巻から鳴り物入りで登場した新キャラクター達は、大事件の陰に隠れて後半空気化するんですな。
しかも、彼らの登場の時に思わせぶりにフラれていたネタは未消化。
ヴォルデモートがスラグホーンを自陣へ引き入れようとしていたのは何故なのかとか。
魔法大臣スクリムジョールは、なんのために居るのか、とか。
あと、とにかく、次巻への引きっぷりが卑怯。
スネイプ先生の裏切りも、ドラコ君の暗躍の理由も、ハリーの決意の果ても、あれもこれも、
いろんな謎まで、全部が最終巻へ続く!っていうための引きに使われちゃってる。
要するに、この巻だけでは消化不良この上ないのだ。
帝国の逆襲よりも、バックトゥザフューチャーPART2よりヒドイ。
ままま、いいんですよ。
楽しく読めましたから。それなりに没頭したし。
かなり一気に読めました。ジュブナイルとはいえ厚いから読むの面倒なんだけど。
ただね。
「ダンブルドアを殺す」という選択肢の意味が見えないんだよね。
作劇的には、ハリーの成長を促して、最終決戦への決意を燃やさせるためなんだけど、
その「役目」のために死んだようにしか感じられない。
じつは、そんなのは前巻「不死鳥の騎士団」のラストで、シリウスが死んで成立してんだよ。
なぜ、そんなにぽんぽん人が(それも偉大な魔法使いが)死ななければいけないのか。
もっとも、ダンブルドアに限っては死んでない気がする。
ていうか、そんな伏線も張ってあったから。
だったらすでに作劇が空々しいんだよね。
さっき言ったドラコの暗躍も、彼視点での描写が皆無なので、なぜそうしたのかとかさっぱり読めないから、
やってること全部が唐突。
なんか、やるべきことがたくさんあって、盛り込みすぎてて、でも枚数に収めるために刈り込みすぎてて、まさしく書き手の消化不良を感じるんだな。
ハリーがキャプテンになったクディッチチームも、試合の描写は2試合程度で、いつのまにか(しかもハリー抜きで)優勝しちゃうし。
物語世界の魅力でもある魔法の授業風景も、特定のものに偏ってて(魔法薬学)、しかも展開はワンパターンに陥ってるし。
ハリーやロンの恋愛模様もあるけど、全体的に唐突にカップル化してて、客観的な描写といえば確かにそうだけど、感情移入できないから、なんで恋愛要素を入れてるの?って不思議になる。
細かい痴話げんかとか、当てこすり合戦みたいのだけが展開してんだよ。
ハリーがチョウ・チャン相手にウジウジしてる4巻の頃のが良く描けてたよ。
とはいえ、主題であるハリーの成長譚も、非常に駆け足でドラマが展開しちゃうのでどうにも伝わらない。
すごくダイジェストみたいなのだ。
要するに、キャラ萌えモノにも、本格ドラマにも成り得ていないのだな。
もっとちゃんと書いて、3巻組とかにすりゃよかったのになぁ。
あと、全体に話しが暗い。げんなりする。
まぁ、ジュブナイルのファンタジーだし、最終前のクライマックスだからしょうがないんだけどさ。
一言でいうとですね。
明日最終巻を買ってこないと、気がすまないのです。
すっかり夢中!?
[いいですね]
おぉ!
読んだ事の無い、ハリポタをダイジェストで見た感じ(因みに映画も見てない)。
ひと月に一冊は本を読む様にしてるけど、何故か…長い続きモンに手が出ないオレ…
しかも、サスペンスかホラーばっかりに手が出るのですよ(汗)
今日は休みやから、図書館に行こう。
ファンタジー借りようかな。とか言って結局、いつもと変わらんモンを借りるで有ろうオレ(笑)
投稿情報: ロー | 2009/07/20 08:41