真野恵里菜、初舞台にして初主演の「恋するハローキティ」初日を見てまいりました。
感想とか書いても、まぁテキストとして面白くもないので、どうかと思うので、まずは徒然箇条書き。
●青山円形劇場は客席と舞台が異様に近い。
●S/mileageの着ぐるみ/衣装が可愛い。
●ただ、二役であることに特に理由が無いのが残念。まぁめんどくさいんだろうけど。
●福田花音の演技力は群を抜いていると思う。黒かのん様、サイコー!
●ゆうかりんが女の体型になってた。やべぇな。
●マジレッドかこいい!
●先生がキモイ人なのか真摯な人なのか、よくわからん。
●坂田ちゃんは目が大きい。美人さんだ。演技もまぁ良い。
●基本的に真野ちゃんのすっとんきょうな演技は、あの役にうまくハマッてたと思う。
●起承転結の「転」での、真野ちゃんの一人芝居は引き込まれた。
●あそこから黒い展開になると思ったのになー。黒キティ化してマジレッド独占、しかしご主人様を不幸にできないという縛り、自分がおもちゃであることを自覚、再び白キティ化、という流れならカタルシスもあるし、挫折と再生にもなるし、真野ちゃんが後半終始半べそで演技しなくてもよかったんじゃないかなーと。脚本のセオリーならこういう流れなハズなんだけど、多分ガツンとハショったんじゃないかな。
●演出が秀逸。3日しか時間が無いという縛りなのに、さらに時間経過をハショって尚、キャラがちゃんと立ってるし、心理状態の変化も描けている。
●S/mileageが真野ちゃんをいじめるシーンが最高! 非現実というのはコレをいうな。湿度が低く、それでいてちゃんと怖いので、よくできてる。
●反して坂田ちゃんをいじめるシーンは陰湿で冷たい。意図的な対比なのか、単なる差別化なのか。
●キティちゃんの恋がどんどん膨らんでいく様は、恋愛初期の「告白寸前までのムズ痒さ」を見事に描いてて、死にそうになりました。
●もう、チューしちゃえよ!
●後半の展開はベタなんだけど、たしかに(ピストル氏の言うとおり)真野ちゃんの笑顔がまったくなくなって行くのは、見てて切ないのは切ない。
★
こんなところでピストル氏の意見に反論を展開してもしょうがないんだけど、一応書くね。
僕はこの公演は、「演劇」の「作品」として非常に完成度の高いものであったと思います。
ていうか、「まっとうな演劇」を作ろうとしていて、見事に成功していると思います。
ただ、ピストル氏が言うように、アイドルちゃんの可愛い顔を見たい人にとっては、芝居の世界観に入らなきゃいけないということが苦痛だったかもしれません。
後半は真野ちゃんは、泣き笑いみたいな顔しかしてないしね。
ストーリーがそもそも切ないわけで(恋愛ものだからね)、鬱展開になるのは必然なんだけど、ピス氏みたいな人は「そもそもそういう脚本を書くな」という。
じゃあ、能天気に恋愛成就でラブラブする芝居見たら、そういう人はなんというかな?と。
そうなると、えてして山も谷も希薄な演劇になるわけで(エコ研とかシンデレラみたいな)、そうなったらなったで文句は言うんだよ。
ゲキハロとかでも思うことなんですけどね、顧客が何を求めているのかと、作り手が何を送り出したいのか、というのが、乖離している状況があるのかな、と。
ただ、演劇公演である以上、それは演劇としてハイクォリティなものを作りたい!と思うのは、作り手としては至極まっとうだと思うのです。
ただひたすらハッピーな芝居ってのも選択肢としてはあるんだろうけど、要するにアイドルに演劇をやらせるってのは「勉強」の側面もあると思うのです。
だからできるだけ喜怒哀楽の表現を盛り込んだほうが良いと思うのですよ。
「しゅごキャラ!」みたいなキャラクターものだと、仕上がりとして「興行」として、子供っぽ過ぎるんだろうしね。
まぁ今回もキティちゃんなんだけどさ。
文句は言うのは顧客の自由だから、それはそれでいいと思うのね。どうせヤフオクでチケット買ってるんだから、いやなら2回も3回も見なきゃ良いし、転売すりゃいいし。
でもさ、アイドルのかわいい顔や姿を見たいなら、コンサートで事足りるでしょう?
演劇というのは、可愛いだけを表現するものではないわけで、「この娘はこんな表情もするんだ、こんな深い表現ができるんだ!」という感動を味わえるわけで、それは歌の現場では不可能なことなんですよ。
要するに楽しみ方がまったく別のものなわけで、「可愛い顔・笑顔を見たい」という欲求は理解できるけど、それは「間違ってるんじゃないかな」と思うのです。
それはハンバーグ食ってんのに「甘くない!」って言うようなもので。
同じような意味で、ゲキハロ後の歌コーナーとか不要だと思うんだよね。蛇足も蛇足。口パクとかいらねぇだろよ。
歌コーナーは、たしか客が要求でできたという歴史があったはずと思います。
「サンクユー ベリーベリー」では、ついに歌コーナーがなくなったから、客もニーズにも変化ができてきたのかな、と思ったり。
今回の「恋するハローキティ」は、主題歌みたいな感じで歌(口パク)がありましたけどね。
★
え、結論?
僕は真野ちゃんが大好きです★
基本的にサンリオキャラクターを子供向けの深みのないものと勝手な偏見を持っていた私は、『恋するハローキティ』と初めて聞いたとき、この舞台も子供だましな感じと無予想し、「まぁ真野ちゃんだから見るか…」くらいに考えてたような気がします。
でも、実際に見てみたら、ホントと驚くほどによく出来たお話で、出演者も、誰もが素晴らしい熱演で、スッカリ魅力に引き込まれて……もう…涙が止まりません!
こんなものだとはぜんぜん思って無かったですよ…ビックリしました。
真野ちゃんって最初は、たぶん顔が好み…ってだけだったのに、もう今では彼女のガンバリに滝のように涙があふれてくるんですよ。心が潤うんですよね…なんだか…
なんか今までと違う、切実な感じ、何なんでしょう?
プレミアムライブに続き、この舞台…真野ちゃんは間違いなく今年の私のMVPになっちゃいました。
投稿情報: ドングリーズ | 2009/11/14 22:49
投稿情報: 尾上@地底探検隊 | 2009/11/15 03:20
[いいですね]
お二人には共通の話題が有って…羨ましい。
でも、良い演劇だった様で、少々見たかったなぁ感が有ります。
ミヒャエル・サラゲッタって人が、[涙と共に味わわ無ければ、ほんとうの味わいはわからない]と言っていて、[人生で起こる事は皿の上でも起こる]とも言っていますが、
舞台演劇とは真に、そんな変幻自在なナマモノの魅力に溢れたモノだと思って居るので、尾上さんの言われる事少々解るつもりであります。
綿菓子だけじゃ、お腹膨れ無いですもんね(笑)。
投稿情報: ロー | 2009/11/15 10:20