AKBとかさ、別に僕が語ることじゃないんだけど、つらつら書いたらなんとなく出来たからアップしてみる。
楽曲からみる戦略論みたいな話です。◎◎ちゃんキャワ!みたいな話は皆無です。
完全自己満足なので、無視してください。
オチもないし(笑)。
★
えー、職場の同僚の影響もあって、なんとなく今まで聞いてこなかったAKB48の楽曲をまっとうに聴いてみたのです。
新曲「RIVER」から、さかのぼって。
あ、もちろんYouTubeで(笑)。
>AKB48新曲『RIVER』
http://www.youtube.com/watch?v=7wbfqICAM_c&feature=related
とにかく素直にカッコイイ曲です。
AKB48って、初期は援交を思わせる制服JK的世界観だったのが、昨今は、明るく元気に前向きなJK!っていう理想郷みたいな世界観にシフトしてたんですけどね。
今回の「RIVER」は、そこからも一転して勇壮でメッセージ性の強い、言ってみりゃアジテーションソングです。
HIPHOPっぽいテンポ感とか、「YOYO!」だの男言葉を多用した掛け声とか、まんま、いままでつんく♂がお得意としてた方向性に非常に近しいノリなんです。
言ってみれば「そうだ!We're ALIVE」に非常に肌触りが似ているんですよね。
いっしょに拳を振り上げたくなるノリというか、コンサートでのそんな熱い風景が想像できる曲です。
RIVERに込められたメッセージは、「横たわる川を渡る(障害・困難を乗り越えろ!)」っていうコト。
なんというか、今のAKB48に歌わせるのには、多少の違和感がある。
今、上り調子で売れてきてるのに、まだまだ「困難を越えろ!負けるな!」って言わせちゃうあたりは、プロデューサーがとても期待していて、「もっと行けもっと!」とあおっているわけで、これはなんか怖くっていい感じ。
それこそ、℃-uteに「JUMP」を歌わせてた頃のつんく♂は、そういうのやってたんだよなー。
★
というわけで、「RIVER」をまったくもってベタ褒めする僕なんですけど、そこから遡ってAKB48の曲を聴きました。
4曲くらいかな、とりあえず。
最初期の「制服が邪魔をする」とかは発売当時に聞いてたんですが、そこで描かれたあまりのダメ世界と、クォリティの低さには愕然としたのです。
「新人のグループアイドルが歌うのはこんな湿度の高い歌じゃないやい!」と、半ば怒りに近い感情がわきあがった記憶があります。
援交とか、年上の彼氏みたいな、「ただれた渋谷の女子高生=リアル」なんてのは、携帯小説だけで十分なわけで、顧客(=アイドルオタク)のニーズを舐めていると思ったんですな。当時の僕は。フッ青いぜ。
んで、近作である「大声ダイアモンド」「10年桜」「言い訳Maybe」「涙サプライズ」と、明るく清い制服JKソング群を聞きました。
楽曲としては、「昨今の」モーニング娘。のものよりは、確かにイイと思います。
別に、「グループアイドルは明るい歌を歌わないと!」ってだけではないんですけど、
イメージ戦略として、なによりも世間へ向けたシングル曲としては、AKB48のこの選択肢はまったく正しいと思います。
例えばモーニング娘。のように、大人っぽく、セクシーで、湿度高く、みたいのを世間へイメージ付けたいのだとしても、
顧客が求めるイメージとかけ離れている曲をリリースするのは、プロの仕事としてはNGじゃないかと。
第一、世間へ向けての戦略ひとつも無いし、囲い込んだヲタから搾取することしか考えて無いくせに…。
囲い込んだヲタだけが顧客なら、せめて顧客を満足させるべきだろうと。
AKBは、まだヲタを囲い込む時期ではなく、熱心なファンに+して新規客層としての世間へのアピールを大事にしているわけです。
だから、グループ全体に一定のイメージを付けるため、明るく前向きJK!みたいな曲を連続したってわけです。
しかしながら!
これら4曲を聞いて、僕にはさっぱり印象が残らなかったんですよ。
耳障りもいい曲だし、明るくて、前向きで、とても可愛らしい。アップテンポでシングル曲にふさわしい感じ。
4曲それぞれに色もちゃんと変えてあって、詞世界のテーマも明確で、AKB48というグループってこんなだろうなって感じがちゃんとする。
でも、楽曲の印象はさっぱり強く残らない。
解りやすく言うと、サビが秋元康らしい連呼しまくる系なんですけど、まったく頭に入らない。残らない。
自分が口ずさんでない。頭の中でループしないんですよ。
自分だけカナ?
AKBの人数が多いとか、顔を知らないからとか、そういうことじゃなくて、初見でガツンとくるインパクトがない気がするんです。
楽曲の持っている印象深い部分(詞とか歌唱とか)が薄く感じられたんです。
つーか、こっちに入ってこない。前に出て来て無いんじゃないかな、と。
それはなんでかと言うと、おそらく全編をユニゾンで歌っているせいだと思うんですね。
こう思った理由は、ニコニコ動画で初音ミクに「言い訳Maybe」を歌わせてる投稿があって、それがすごく良かったからなんですよ。
詞の世界と、楽曲の良さがハッキリ感じられました。端的に詞とメロディが聞き取りやすくなってると思います。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8139029
(↑クォリティはそれほどじゃないけど/笑)
楽曲を一度ボーカロイド化することで歌が記号へ変換されて、詞の良さというのが本家よりも全然伝わってくるようになったんじゃないかと想像されます。
つまり、ユニゾンだから良い効果もたくさんあるけど、ユニゾンだから消えてしまう、ボヤけてしまう部分「印象=インパクト」というのがあるんじゃないか、と。
★
そういう意味では、ハロプロの「推しメン」システムというのは、ある意味で正解なんだろうな、と思えます。
初見でも聞いた人にハッキリとしたインパクトを与えることができ、まず何よりも一人であっても顔を覚えてもらえる。
そして特定の人の声質が「前に立つ」ことによって、歌がしっかり耳に残るんです。
(↑今の囲い込んだヲタだけから搾取してる戦略では意味が無いシステムだとか言わないの★)
例えば、愛理の声と矢島のセリフが全面に出てなかったら、「都会っ子純情」はコケた曲だと思うし、
「EVERYDAY絶好調!」のユニゾンパートがすばらしく泣けるのは、1コーラス目が矢島&愛理体制のままだからなんですよね。
だからなんです。僕が「RIVER」を初見から「すげぇ!」と思ったのは!
「RIVER」もまた、ほぼ全編ユニゾンで歌っているんですけど、ユニゾンであることが活きている曲だったからなんです。
コレは、モーニング娘。の『そうだ!We're ALIVE』に近い感覚じゃないか、と。
聞いている人間を巻き込むうねり(グルーヴ)が、声を重ねることによって発揮されて、力強さを生み出すでっかい要素になっている。
前述の同僚の感想を引用します。それのが伝わる。癪だが。
勇ましい系の「我らいざ行かん」という曲調で、
ついに「明るく かわいく 元気に」以外のラインで攻めてきたかって感じ。
聴いててすごく胸がザワザワしました。
スケール感があって、カッコイイ成分が多めで、声を合わせると楽しそうで…
「これを歌ってる所を大きなコンサート会場で見たい」
「これを歌ってるコンサート会場にいたい」
「これを聴いている聴衆の一部になりたい」
って思える曲。
……それはすなわち、「娘。に歌って欲しい曲」なんスよね……。
★
ハロプロにはハロプロの良さがある。AKBにはAKBの良さがある。
まったくそのとおりで、どっちをクサす気はないです。
ただ、この二つは、世代交代とか、流行ってる流行ってない的な論調で行くと、どうしても比較され、対決という文脈で語られます。
そして、得てして「ハロプロが負けてる」みたいに結論付けられます。
だって今のハロプロにはポジティブな要因が真野ちゃんしかないんだもの(笑)。
AKB48は、遠からずブレイクするでしょう。
ひょっとしたら、「LOVEマシーン」級のメガヒットが生まれるかもしれない。そういう勢いが今、ハッキリとあるということです。
なんつーか、秋元康がつんく♂よりスゴイのは、ブレイクの要因を作り出せて、その瞬間を逃さずにガッチリつかめること。
もちろん、ブレイクというのは天地人が揃ってなし得るので、秋元康も過去はかなりアレばっかりでしたけど。
とにかく時代へつながる道を作れて、それをつかめるものが勝利者と言えるでしょう。
でも、それはあくまで、この瞬間に限った話。
アイドル勢力地図(というのがあるとして)で、今AKBは、本来ハロプロが得意としていたはずの楽曲へと攻め込んできました。
これは誰が見てもハッキリわかること。
固定客に複数枚買わせる握手会システムや、毎週絶対見れる劇場というフィールド、3本のテレビのレギュラー番組。そして武道館公演という偉業、選挙・組閣といったサバイバル的サプライズの演出。
AKBが打ちたてた記録は、確実にブレイクの兆しです。
ですが反面、ゴールデンタイムへのテレビ露出、歌番組への出演はかなり少ないのです。
バーターやコネによるねじ込み出演をほとんどやっていない、という証でしょう(秋元康の業界力や、メンバーそれぞれの事務所をもってすれば、そういうことは可能であるのに)。
それで、一般層までを巻き込んだブレイクを狙えるか? というと疑問です。
もしかすると、まだ地固めの時期であってブレイクさせる気がないのかもしれない。
もしかすると、一般層は見てなくて、アイドル業界の天下統一(ヲタ総取り)が狙いなのかもしれない。
逆に今ハロプロは、バーターやねじ込みを駆使して、ゴールデンやプライムタイムへのテレビ出演に精力的です。
ま、道重さんなどの「できる」一部メンバー限定ですけど。
これは、ハロプロ側がAKBサイドを意識しているいい証拠です。
共に切磋琢磨して、どっちも伸びればいいんですけどねー。本当に。
加えて言えば、娘。オーディション落選組が、こぞってAKBで中心メンバーになっているという事実は、何を物語るのでしょうかね?
★
※画像は無意味です。
最近のコメント