Aさんとこのコメ欄に書いたネタなんだけど、こっちにコピペしとこう。
論旨がズレてる気もするけど、自分用の記録って意味も込み込みで。
★
80年代型のアイドルってのはTVの歌番組ありきでしか世間に存在できなかったと思うのです。
90年代のアイドルというのは、グラビアが主戦場になり、かろうじてTVバラエティ番組の中でも存在できた。
と同時に90年代には、地下アイドルという概念も生まれ、メジャーとインディーの両極化が顕著になったのではないかと。
(制服向上委員会や東京パフォーマンスドールは、そもそも地下と呼んでいいグループだったわけで)
ていうか、グラビアとかお菓子系とかU-13とかSPEED的なアーティスト志向とか正統派のモー娘。とか、アイドルそのものが多様化したのが90年代だったかと。
では00年代型のアイドルというのは何か?
歌番組が無くなり、バラエティは芸人の戦場となったわけで、アイドルがいる場所はなくなりつつありました。…イリオモテヤマネコみたいだね。
ハロプロは、興業を中心とした「会い難いアイドル」化することで、選民思想をファンに植え付けることで「うまく」行きました。
あ、当時の話です。
その戦略によって、逆に世間へのチャンネルはどんどん閉じて行ってしまい、
アイドル=マイナーで恥ずかしいモノというパブリックイメージを助長してしまったわけですな。
21世紀型っつーのはじゃあ何か?
すべてはハロプロへのアンチテーゼです。
AKBにせよ、アイドリングにせよ、ももクロちゃんにせよ、今目立っているアイドルたちは、
登場した当時、ほぼ全部が「今、会えるアイドル」というコンセプトだったからです。
(Perfumeは、全般にちょっと違う文脈なので、割愛)
要するに、アイドルDDという少ないパイを食い合うしかない、という消耗戦から始まったわけですな。
その中から飛び出した「成功」のひな形がAKBなのだとしたら、
そのポイントは90年代型ハイブリットってことなのかなぁとか思います。
AKBは比較的初期(2006年)から無理矢理看板番組を持ちました。
これによってTVに自分たちの居場所を作り、世間とのチャンネルを持ったわけです。
それと同時に地下的なライブ活動もしていることで、宣伝・広報活動がちゃんと実を結ぶように作られていたわけです。
同様の手法は、アイドリング!!!もそうですね。
共に、電通とかフジテレビとか、そういう強い後ろ盾あっての活動ですが。
(両者がメディア活動を活発化させた頃、ハロプロはTV番組からの撤退をはじめた、というのは、非常に皮肉というか、まさに時代の流れでした)
それでもブレイクするには時間と金がかかります。
AKB48の誕生は2005年。アイドリング!!!は2006年誕生。
いやはや、なかなか一筋縄ではいかないのですな。
両者共に、メディア戦略を大々的に行い、(特にAKBは)アイドルDD的な人だけではないファン層を獲得し、一般層への認知度も序々に上がってきました。
でも、全盛期のモーニング娘。の場合は、もっとブーム(流行)として存在してました。
ゴマキ最強論や、辻ちゃんと加護ちゃんどっちが好み論争などからわかるように、母体の名前以上に「個」がちゃんと立っていたと思うのです。
むろん、時代というファクターはあるのですが、駄菓子屋でシールとかが売られていたりしたしね。
ミニモニ。というのは、やっぱり一般化した大きな役割を果たしてましたね。
でも、さすがに今のAKBでは、一般層においては個別の名前はまだ認識されていません。
2度の総選挙があったのに前田敦子がせいぜいってとこでしょう…。あ、あとスキャンダル絡みで篠田(笑)。
そういう意味で、お茶の間に浸透するというのは、ものすごく大変なのだろうなと。
今、お茶の間レベルで市民権を得ているアイドル(女優系とグラビア除く)というのは、
Perfume、中川翔子、里田まい、木下優樹菜、道重さゆみ…くらいなものじゃないでしょうかね?
まぁ現在のハロプロのように、アイドルDD的おっさん(自分含む)を相手に、小さく商売をするほうが堅実だし、無理がないのかもしれない。
戦国時代と言っても、全国の武将全員が天下を狙ったわけではないじゃないですか。
「おれは、この藩を、しっかり育て、強くして、守っていく!」という武将もいたわけですから。
そういう生きざまもアリかな、とは思います。
逆にいえば、冷たい世間の風を知らないで生きていけるわけですからね。
そもそもハロプロは、でっかいフタがされてるフラスコみたいなもので、
真野・スマのように元気で才能ある後輩が外に出たくても、絶対に出れない仕組みなので…。
ま、循環しない液体はいずれ腐りますけどね。
[いいですね]
じゃあ、コメ繋がりで(笑)
自分が一般人だったころ、「めざましテレビ」の軽部さんのコメントが、モームスの情報の全てだったですね。
辻加護(ってのがいるの?)がどうとかゴマキがどうとか、誰が抜けただとか誰が入っただとか、今度の曲はどうだとか、誰が真ん中だとか端っこだとか、シャッフルなんたら、ミニモニなんたら、アイーン…
ま、メディアでそういう取り上げ方をされれば、「アイドル」なんかに興味が無い自分でも、モームスなんてけったいなタレントよーく分からんけれども…と言いつつ、漠然とコンテンツとしての認識はできたわけですね。
だからと言って、メンバーの誰がどうとかは、さっぱり分かりませんでしたし、興味も「まるで」無かったですけど。
今回のAKB総選挙とかで前田や大島の名前が上がれば、彼女たちの名前は、なんとなくお茶の間に浸透して、ソロでテレビに出てきたときに「あぁ…あのAKBの…」って事になるんでしょうね。
だからと言って、それが、AKBが「国民的なんちゃら」になるのとは、根本的に、ちょっと違うような気もしますけど。
モームスの全盛時代ですら、そういうものに興味がまったくなかった自分にとっては、「国民的なんちゃら」なんてピンとこなかったですもん。
「俺、モームスよく知らんけど、俺は国民じゃねーのか?」
みたいな。
一般的な感覚なんて、そんなもんかな…って思いますわ。
所詮、街でアンオフィパチモン屋台の前を通れば、何でもAKB…って程度?
今のAKBもそうですが、メディアに取り上げられるって言っても、その主題は、「商法」であったり「社会的背景(ブーム)」であったり、オキャクも含めた「特殊な文化」としてであったり(珍獣みたいなもんかしら)、「つんく♂」だったり「秋元」だったり、「ギスギスした人間関係」だったり「枕営業」だったり、「文春」「現代」「フライデー」…口下手な自分には、うまく表現できないけれども、結局、下世話な話題に終始してしまって、コンテンツそのものの良さやすばらしさが取り上げられる事は、ほとんど無いものな~。
結局、そういったフィルタを取っ払ってコンテンツの魅力を感じる何かのキッカケがなければ、自分はこの世界に入れなったし(自分のキッカケは親友(苦笑)のだんぢさん)、ましてや、15~16歳の女の子のおしりを追っかけるなんて背徳的な趣味を認容できるほどの心の広さ(笑)を持つ事もなかったかと。
自分は、昔からオタクやってますけど、この楽しさを知ることがなければ、きっと、一部のアニオタがそうであるように、
「アイドルオタなんて●●
とか、分かったような口を聞いて、心のどこかでアイドルオタ(と呼ばれる人たち)をバカにしていたかもしれませんね(同属嫌悪)。
自分、今でも、アイドルオタって、オタク文化カーストの最下層だと思ってるんですよ(笑)。
結局、アイドルなんて、いい大人が小娘たちのおしりを追っかけるという醜い図柄である以上、アングラとか特殊な文化としてのカテゴリーを出ないのかな~って思います。
アニメは市民権を得た日本の文化…なんて言いながら、結局、表立ってもてはやされるのが、宮崎御大であったり、ガンダムやエヴァのような一部のコンテンツにすぎないわけですよね。
猫の耳が生えた、お目目が四畳半ぐらいある、おっぱいの大きな下半身丸出しの大半の下世話?なものは、悪趣味として片付けられてしまうのと同じようにね(マチガイなく悪趣味だけどさ)。
結局、「アイドル」と一口に片付けてられてしまう時点で、ある種のレッテルを貼られちまってるって事なのかな…と。
本来的には、地下アイドルとグラドルと鈴木愛理を十把一からげ、同列に語る事はできないわけですが(もちろん共通のキリクチはありますけど)、所詮そんなものなのかな…と。
でも、アングラだから楽しいんですけどね。
本質を知る選ばれた者=自分たちだけが、快楽を享受できる高級趣味(笑)。
ある種の選民思想。
だから、あんまり普遍化して欲しくないという気持ちは、常にあります。
あの子達が売れて欲しいという願いとは、ちょっとウラハラな気持ち。
って、俺、何が言いたかったんだっけ?
時間切れなので、会社行きます…てか、真面目に生きろよ!!俺!!
投稿情報: A | 2010/06/15 07:32
[いいですね]
いやぁ、尾上さんのこの記事、そしてこのAさんのコメントは、私がぼんやり思っていたアイドルと社会の関係をとてもきちんと書いてくれていて、永久保存版って感じです。
私はけっこう前からアイドルヲタですが、やっぱり今のような深いファンになったのは、現場を味わってコンテンツそのものの素晴らしさを知った以降からです。でなければ、女の子大好きでスケベな私とはいえ、ここまで自分の持てるエネルギーと時間と財力を総動員してこの趣味を続けられるモチベーションはないのです。
そういうコンテンツ(決して質が高いって言っているのではなく)の本質的な部分は、どうやったって世間には伝わるハズのないことで、世間からみれば15~16歳の女子のお尻を追っかける趣味でしかないのです。
実際、社員の大半がアニメヲタクであるウチの会社の部下に、ドングリーズ先輩はアイドル好きってのが残念ですよね・・・って言われます。アニヲタで社会的にも人間的にもどうなのってようなヤツにです。彼の中でアイドルはアニメより低級なのです。
やはり、あらゆるヲタの中でもアイドルヲタはカーストの最下層ってイメージはあると思います。なんでしょうねぇ、対象が異性さからもっと性欲的な部分が大きいと勘違いされていて、ヲタ+性欲=最低人間みたいなことかな?アニメヲタは、映像芸術的な言い方に逃げられるのかな?
今、AKBが冴えていて、ハロプロは斜陽で閉塞感あるっていっても、それはある程度情報が入っている人の中でのイメージで、本当に普通の人から見たら、すべて同じ、ハズカシイ芸能、文化なのかなぁ?
世間的にそういうモノじゃないと、私は楽しくないんですよね~
投稿情報: ドングリーズ | 2010/06/15 09:18
[いいですね]
多分なんですけど。
Aさんの言うところの「市民権」というのと、僕の書いてる「一般化」というのは、ちょっと違ってるなぁと思います。
認識というか、定義というか。
言葉のニュアンスの問題なのかもしれないですけど。
アイドルに興味のない人にまで存在が訴求したら、それは一般化だと思うのですね(スキャンダルだろうが、なんだろうが、訴求の仕方はなんでもいいと思う)。
市民権となると、もっとハードルが高くて、存在や中身までを認めてもらわなくちゃいけないのではないかと。
それができたのって、ハローだと、デビュー当時の松浦さんと、ミニモニ。だけだと思うのです。
娘。本体は、そこまでは至ってなかったと思う。やや逆説めいてますけど。
今の、ミキティや辻ちゃんは、ママドルという売名行為の果てにある地位であって、市民権とはちょっと違うかな、と。
道重さんと里田さんこそが、運と実力で、市民権を得た人じゃないかと。
★
ハロプロやAKBやなんでもいいんだけど、
「彼女たちが、こんなにも真摯にダンスや歌に取り組んでいて、素晴らしくカッコイイステージをやっているんだよ!」
なんてのは、永遠に世間=一般には伝わらないと思います。
「メディア」を通してしか情報を得るチャンネルがない人たちに対しては。
だって、そんなのが成功したアイドルって、歴史を紐解いても、誰もいないんですから。
浅田美代子や南沙織の昔から、聖子ちゃん、明菜ちゃん以下略から、高橋由美子まで。
アイドルとは偶像です。
作られた存在であればあるほど、それは輝くのだと思います。
生々しい姿をさらして、尚カッコイイのは、アーティストだと思うのですよ。
そゆ意味で、SPEEDとかPerfumeは、アーティストのククリに近いんじゃないかと。
ASAYANというのは、そのアーティスト的なドキュメントの要素をアイドル界に持ち込んだから面白かったのじゃないかと。
投稿情報: 尾上@地底探検隊 | 2010/06/15 17:50
えっとね…ズレてると思いますよ。
エィヤッって思った事を駄弁っただけなので(乱暴)。
最初に自分の記事で「市民権」って書いた時に、何を意識したのか、あんまり覚えてないんですけど(たぶん、大して考えてはいない)、日ごろから、アンダーグラウンドな文化が、一般に何らかの形で認知される時って、本来の持ち味でない、本質とは関係ない部分で受容されるという点で歯痒さを感じていて(そのまま受け入れられるはずがないので当然なんですけど)、AKBの流行だって、まさしく本質とは関係ない部分でもてはやされていたり???するわけでが、ま、あれは、多分に人工的なもので、わざと、そうじゃない部分でアッピールしているって事なのかもしれないけど(=商売)、それはそれでなんだかね…って気持ちがあるわけです。
今回、えーべっくすが、(おそらく)AKBの尻馬に乗っかって、アイドルグループ作るって聞いた時に、まったく根拠はないんですけど、たぶん、そういった本質でない表層的な部分=どうせナンチャッテの市民権アイドルで商売しようとしてるのかな~なんて感じたので、そういう文脈になったのかな…って気がします(ホントに根拠はないので、単なる先入観)。
ただ、自分がこんなになっちゃう前に感じてたことなんですけど、昔のハローてか、モーニング娘。には、何と言うか、普通の人(昔の俺)でも共感できるモノがあった気はするんですよね。
フツーに聴いてても、なるほどって思えましたから。(←今は、もうフツーじゃないので判断できない。てか、そのときからフツーじゃなかったのか?)
その時には、モーニング娘。=アイドルって認識は、さほど強くなかった気もしますけどね。
それって、アーチストだったって事なのかしらん?
ま、そもそも、その時点で(実は今も)、「アイドル」ってもんが、よく分かってませんでしたから。
なので、(当時の)松浦は、自分の中の意識としては、芸人に近かった気が…(たぶん誤解)。
(現在の)里田さんは、そもそも、一般の人にとっては、アイドルという認識はないでしょうね。
へきさごんタレント。
一方、今のAKBを見たり聴いたりしていても、歌で世間にどうこう…ってほどの影響力てか、認知度はない気がしますね。
まあ、どーでもいいのかな…そういう部分は。
それはともかく、ドングリーズさんもおっしゃるように、周囲のオタク(昔からの友人の2次元な人たち)に、なんとなく蔑まれているのが癪でね(笑)、でも、それって、自分のバカな言動や行動=自分自身が原因なのかしらん…って気がしてきました。
反省します。
投稿情報: A | 2010/06/15 22:38
[いいですね]
A師匠がVOX仲間になってくださったことで、このブログ・コミュニケーションがまた一つ活性化され、深みが増しましたよね。「アイドルとは?アイドルファンとは?」という根元的かつ迷宮入りしている大命題がここに来て尾上シショーにより語られ、A師匠とどんぐりーず先輩がそれに呼応して、各人の卓越した文化論・自己分析を披露してくださっている。三人のからみは、それぞれの切り口・表現法が見事なので、大変興味深く読ませていただいていると同時に、知識も経験も表現力も乏しい僕からすると、ただただ感心・発見・驚嘆するばかりなりという感じです。まぁ、五年前にさいたまスーパーアリーナで亀井絵理と出会ってしまったあの日から、僕ももう真人間・常識人という言葉から程遠いダメ人間になってしまったわけで、もしあの日にその出会いがなく、現在平凡な一般人として過ごしていたのならば、このブログ会話を見て「気味の悪いおっさんたちだなぁ」と思ってたんだろうなぁと考えると、人の価値観も紙一重なもんだなぁと改めて思います・・・φ(..)
投稿情報: ユキーデ | 2010/06/16 02:38