道重さんが、ピンでテレビのバラエティに出るようになって、
いまや「躍進!」という言葉が似合うほどに活躍されています。
それがモーニング娘。本体へ還元しているかは、まぁともかく、
僕は道重さんという人は、ある種の天才なんだと思っていました。
でも、そうじゃなくて、やっぱり努力の人だったんですね(思えば矢口も努力の人でしたっけ)。
この、DVDマガジンでの独白は、ひとりのタレントの女性としての深い深い自戒でした。
何よりも、モーニング娘。というグループの「残念な今」と「あり方のいびつさ」を、ハッキリ語っているコメントでした。
だから、これを言える今の道重さんの意識の高さと、言葉の下にある憂いを想像するに、僕は涙が出ました。
えっと、面倒だけど、道重さんのコメントを(要点だけ)書き起こします。
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去年2009年は、すごいいっぱい考えて行動した一年だったなと思うんですよ。
ぶっちゃけて言うと、すごい怖いって思ったし…仕事に対して怖いという感覚を始めて感じた年だったんです。
(中略)
どんなに些細なことだったり、すごいちっちゃいことが次につながるってことを勉強したんですよ。
私は、モーニング娘。っていう、トップのグループに入って来たから、
そういう、次に繋がるからがんばらなきゃっていう意識ってまったく無かったんですよ。
普通に、メンバーとして後ろでちょこっと踊ってたりしてたら、
次にお仕事をもらえたり、コンサートを何回もできたりとか、ファンの人がついてきてくれたりとか。
すごい、考えてるつもりだったけど、軽かったなって反省もしたし。
だからこそ、どんなに小さいコメントとかでも、ちゃんと自分の、今やらなきゃいけないことをやって、次に繋げなきゃいけないんだなっていうのを、
一人でやって……さゆみもう八年目になるのに、恥ずかしい事なんですけど……初めて気づきましたね。
あぁ、こんなに一番しなくちゃいけない事をまったくやってなかったんだって。
ていうのを、2009年は一番感じましたね。
★
要するに、これをプロ意識だと思います。
それが彼女には8年間なかったわけです。
では、他のメンバーには、この意識はあったんでしょうか?
特別道重さんがバカで、ものを考えていなかったわけじゃないと思うのです。
愛ちゃんとガキさんがトップである今の体制下においてでの話です。
そもそも、5期加入、6期加入段階では、まだモーニング娘。はトップアイドルグループでした。
7期の小春加入時ですら、まだ(やや陰ってはいましたが)勢いはありました。
そんな中で活動してきた彼女たちです。
加入した瞬間から、国民的アイドルにならざるを得なかった…否!
正しくは、国民的アイドルであるかのような幻想を見させられ続けた彼女たちなのです。
プロ意識が芽生えるわけがありません(断言)。
モーニング娘。という名前の魔力(もしくは言霊)は、少女をアイドルにしましたが、プロフェッショナルにはしませんでした。
道重発言の結論はこれです。
そして、ハッキリ言えば、これが凋落の原因だと、僕は思います。
ハングリー精神の代名詞だった「モーニング娘。」が、素晴らしいプロのパフォーマンスを見せてくれる「モーニング娘。」が、
特定のヲタだけに支えられることで井の中の蛙となってしまい、プロ意識すらない集団になってしまっていた。
悲しい。
あまりにも悲しいことです。
事務所の怠慢と傲慢や、スタッフ側の意識の低さも、もちろん要因のひとつですが、まぁ、それはいまだに続いているしなぁ…。
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2期、3期加入のときの、混沌とした中であっても、それでも踏ん張って進んで行く泥臭くも神々しい輝きのモーニング娘。を(テレビのドキュメント演出とはいえ)見てきた、
当時それなりに熱心な在宅だった僕が、
ハロマゲドンから6期加入のころには、全部がどうでもよくなっていたのは何故だったのか。
ちょっと解った気がしました。
人の心は態度に表れ、それは見ているものに伝わります。
彼女たちはパフォーマーなのだから、当然です。
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「夢は汗の中に/少しずつ咲いてゆく花/その努力/決して裏切らない」
そう高らかに歌い、秋葉原の底から這い上がってきたグループに圧倒的なまでに敗北することは、歴史の必然だったのかもしれません。
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